Windows向け軽量PDFリーダーのFoxit代替調査


Windows向け軽量PDFリーダーのFoxit代替調査

Windows環境で使える軽量なPDFリーダー(Foxit以外)について調査しました。**「軽量」**とは、起動や操作が速く、システム資源への負荷が小さいことを指します。また、開発が現在も継続している(最近もアップデートされている)ことを条件としました。さらに、日本語対応(UIの日本語表示や日本語PDFの表示/検索)や、日本語OCR機能・PDF→Markdown変換機能などがあればプラス要素としています(必須ではありません)。有料ソフトも含め、無料で使える選択肢も調べています。以下に各候補ソフトの機能・価格・日本語対応状況・開発状況を比較する表と、その詳細を紹介します。

軽量PDFリーダー候補の比較表

ソフト名 価格(税込) 日本語対応 主な特徴・機能 開発状況(最終更新)
Sumatra PDF 無料 UI日本語表示対応、日本語PDFの検索表示可 超軽量・高速な閲覧専用PDFリーダー。数MBの極小サイズで、起動・スクロール・検索がすべて高速。1000ページ超のPDFでも快適に表示可能。注釈や編集機能はなし(閲覧特化)。 開発中(v3.5.2、2023年10月25日)
PDF-XChange Editor ¥11,000(一部無料機能あり) UI日本語対応、日本語OCR対応(要ライセンス) 多機能なPDF編集・閲覧ソフト。タブ表示対応、高速ビューワ、OCRによる日本語含むテキスト認識。無料版では一部機能に透かしが入る。 開発中(v10.6、2025年5月6日)
Okular 無料 UI日本語対応、日本語PDF表示・テキスト抽出可 KDE製のオープンソースPDFビューア。多形式対応、注釈・抽出機能あり。マルチプラットフォーム対応。 開発中(v24.12、2024年12月12日)
Xodo PDF Reader 無料 UI日本語切替可(設定で日本語化)、日本語PDF表示可 高速・多機能PDFリーダー&エディター。注釈、署名、手書き入力、フォーム対応。ストア版約86MB。 開発中(2024年9月24日)
PDFgear 無料 UI日本語対応、日本語OCR対応(30+言語) PDF閲覧・編集・変換・AI要約機能付き。OCRや形式変換、結合/分割など多機能。 開発中(v2.1.12、2025年1月10日)
Tenorshare PDNob PDF Editor 無料 UI日本語対応、日本語OCR対応 2024年12月登場の新ソフト。高精度OCRとAIチャット要約など。全機能無料。 開発中(2024年12月)
Slim PDF Reader 無料 UI英語のみ(日本語PDF表示可) 世界最小級の超軽量PDFビューア。表示・印刷・検索など基本機能に絞った構成。 開発中(v2系、2020年代最新版)

※ 上記価格は記事執筆時点の情報です。


各ソフトの詳細と特徴

Sumatra PDF

Sumatra PDFはオープンソースで開発されている超軽量PDFリーダーです。インストーラ数MBという極小サイズで、起動からページスクロール、テキスト検索まで非常に高速に動作します。実際、1000ページを超えるような大型PDFでもストレスなく閲覧可能と評価されています。その軽さの秘訣は、閲覧機能に特化して不要な編集機能を一切省いている点にあります。注釈の追加やフォーム入力など高度な機能は搭載されておらずUIは極めてシンプルですが、「閲覧専用ならベストなPDFビューア」として推奨されています。海外製ですがメニュー等は日本語表示に対応しており、日本語PDFの表示・文字検索も問題ありません。2023年10月にも最新版(v3.5.2)が公開されており開発は継続中です。

PDF-XChange Editor

PDF-XChange Editorは、多機能でありながら比較的軽快に動作するPDFリーダー兼エディターです。従来のPDF-XChange Viewerの後継ソフトで、現在もアップデートが頻繁に行われています。タブブラウザ風のインターフェースで複数PDFを開いて閲覧でき、テキスト選択やズーム、サムネイル表示、見開きページ表示など基本の閲覧機能はひと通り揃っています。注釈ツール(ハイライト、下線、付箋メモ、図形描画、スタンプ等)も豊富で、簡易的なテキスト入力編集(タイプライターツール)も可能です。さらに有料ライセンスを取得すればOCR(光学文字認識)機能を使ってスキャンPDF内の文字をテキスト化でき、日本語を含む多言語に対応しています。無料版でも閲覧や注釈機能は使用できますが、一部の編集/保存機能を使うとページに「DEMO」透かしが入る制限があります。価格は約¥11,000ですが、無料で試用しつつ必要に応じてライセンス購入を検討すると良いでしょう。日本語UIに対応しており、公式サイトやメニュー表示も日本語で利用できます。

Okular

OkularはLinux系で広く使われるKDEプロジェクト製のドキュメントビューアで、Windows版・Mac版も提供されています。特徴は、対応フォーマットの幅広さと注釈機能です。PDFはもちろん、EPUB電子書籍、DjVu、画像(JPEG/PNG/GIF等)、コミックアーカイブ(CBR/CBZ)、さらにはMarkdown(.md)ファイルまで表示できます。PDFに対して蛍光ペンやテキストの下線・手書き描画などの注釈(アノテーション)を追加可能で、フォーム入力にも対応します。またPDFからテキストを抽出してプレーンテキストファイルとして保存する機能も備えており、大まかな内容をテキスト化して後で編集する、といった用途にも使えます(※Markdown形式への直接変換機能はありませんが、抽出テキストをMarkdown記法で整形することはできます)。オープンソースで積極的に開発が続けられており、2024年12月にも最新バージョン(v24.12)がリリースされています。UIは日本語にローカライズされており、日本語文書の扱いも良好です。

Xodo PDF Reader & Editor

Xodo PDF Readerは、モバイルアプリでも人気の高いクロスプラットフォーム対応のPDFリーダー&エディターです。Windows版はMicrosoftストア経由で提供されており、無料で全機能が利用可能(広告やプロ版誘導なし)です。特徴は、描画エンジンの高速性と豊富な注釈・編集機能の両立にあります。実際、大容量PDFでもレンダリングが比較的速く、ページ移動も快適です。PDF上に直接手書きで書き込んだりテキストハイライト・下線を引いたりといった注釈機能、複数人でのリアルタイム注釈共有、フォームへの入力や電子署名、複数PDFの結合など編集機能も充実しています。メニュー表示は日本語に切り替え可能で、設定から「Settings > Language」でJapaneseを選ぶことでUIを日本語化できます。2024年9月にもアップデートが行われており、開発も継続しています。

PDFgear

PDFgearは近年登場した無料のPDFオールインワンソフトです。軽量な上に機能が幅広く、閲覧・編集・変換・AI機能まで統合されています。注釈・編集(テキストのハイライト、メモ付与、画像やリンク挿入、スタンプ・透かし・署名など)、複数PDFの結合/分割、ページの削除や順序入れ替え、トリミング、回転といった編集が可能です。PDF⇔Word/Excel/PPT/テキスト/画像など相互に変換できます。OCR機能は日本語を含む30以上の言語に対応し、高精度に文字起こしが可能です。さらにAIによるPDF内容の要約や質問応答にも対応。日本語UIにも対応済み。2025年1月の最新版(v2.1.12)が公開済み。

Tenorshare PDNob PDF Editor

Tenorshare PDNob PDF Editorは2024年12月に登場した新しい高性能PDF編集ソフトです。OCRによる日本語対応の文字認識、多彩なフォーマット変換(PDF⇔Office、画像⇔PDF等)、AIによる要約・質問応答機能を搭載。全機能が無料提供されており、初心者にもわかりやすいUI。開発元はTenorshare社。

Slim PDF Reader

Slim PDF Readerは、世界最小クラスのインストーラサイズを誇る軽量PDFリーダー。約15MB程度。表示・印刷・検索などの最低限の機能に特化し、動作は極めて軽快。UIは英語のみだが、日本語PDFの表示・検索は問題なし。

Foxit Readerについて補足

Foxit PDF Readerは長年「軽量で多機能なPDFリーダー」として評価されてきたが、近年はクラウド連携や広告表示などによりやや重くなったとの声もある。有償のFoxit PDF Editorに移行すればOCR機能など高度な機能が利用可能。

まとめ:用途別おすすめ

  • 閲覧専用で最軽量 → Sumatra PDF / Slim PDF Reader
  • 注釈や簡易編集もしたい → Okular / Xodo
  • 日本語OCRや変換機能が重要 → PDF-XChange Editor(有償) / PDFgear / PDNob PDF Editor(無償)